【確率分布】負の2項分布の確率関数、確率母関数、期待値、分散
今回は負の2項分布です。負の二項係数や項別微分がやや複雑だなと思いましたが、納得できるとすっきりします。
目次です。
負の2項分布とは
成功確率をとした時の、回成功するまでの失敗回数についての確率分布です。
以下の資料を参考にしました。 https://www.slideshare.net/simizu706/ss-50994149?from_m_app=ios
なぜこんな確率分布を考える必要があるのか、今時点ではよく分かっていません。勉強したいと思います。
コイン投げのケースで考えると、負の2項分布の考え方は概ね以下の手順となります。
- 回目の表が出るまでに、回の裏が出ると考える。
- 回目の表が出た時には、 回の表と 回目の裏で、合計 回、コインを投げたことになる。
- 回目まで、つまり最の が出る直前までに裏は 回、 回目に最後のが出る。
確率関数
上記より、負の2項分布の確率関数は 回までで裏が 回出る確率と 回目の表の確率 の積で求められるため、以下のように表現できます。
2項分布に式の形が似ています(当然ですが)。
2項分布はこちらで過去に紹介しましたので、良ければご覧ください。
ここで、上式の和が になることを確認し、確率を与えるものであることを確認しておきます。
として、をテイラー展開すると、以下の結果が得られます。
上式の両辺に を掛けると以下になり、確率関数の和が1になることを確認できます。
なおこの式はガンマ関数を用いれば、 と書けます。なので、確率関数は以下のように表すこともできます。
確率母関数
確率関数から、確率母関数を導出します。
負の2項定理について扱う必要がありますので、ここで確認しておきます。
上記の式変形を前提に確率母関数を導出します。
期待値
上記の確率母関数を1回微分することで期待値を求めます。
分散
続いて分散を求めるため、まずは確率母関数を2回微分します。
この式を用いて、以下の通り分散を求めることができます。
参考図書
いつものです。頑張っています。
- 作者:彰通, 竹村
- 発売日: 2020/11/10
- メディア: 単行本